なぜか貯金できない人の5つの共通点|元銀行員FPが教える改善ポイント

「毎月給料をもらっているのに、なぜかお金が貯まらない…」

そんな悩みを抱えている方は少なくありません。特に日本では、約3人に1人が貯蓄ゼロと言われる時代。給料日前になるとATMの残高をドキドキしながら確認する、なんて経験はありませんか?

私は元銀行員で現在は独立系ファイナンシャルプランナーとして多くの方の家計相談に乗っていますが、「貯金ができない」と悩む人には共通したパターンがあることに気づきました。

この記事では、貯金ができない人によく見られる5つの特徴と、今日から始められる改善方法をご紹介します。たった少しの意識改革と行動の変化で、あなたの通帳残高は確実に変わっていくでしょう。

貯金できない人の特徴と行動パターン

まずは、なぜ貯金ができないのか、その原因となる特徴と行動パターンを見ていきましょう。

「なんとなく使う」が多い

貯金ができない最大の理由は、「なんとなく使ってしまう」という無意識の消費行動にあります。

ある調査によると、一般的な会社員は月給の約40%を「計画外の支出」に使っているというデータがあります。つまり、予定していなかったものに給料の半分近くを使ってしまっているのです。

具体的には以下のような支出が「なんとなく使う」の代表例です。

  • コンビニでの小さな買い物(ついで買い)
  • スマホアプリでの課金
  • 通販サイトでのセール品の衝動買い
  • 同僚や友人との急な飲み会
  • サブスクリプションの積み重ね

これらは一回あたりの金額が小さいため「たいしたことない」と感じやすいのですが、月単位で見ると驚くほど大きな金額になります。例えば、平日毎日500円のランチ代をコンビニでプラスαするだけで、月に1万円以上の出費になります。

貯金ができない人の多くは、このような「小さな支出」の積み重ねに無自覚であることが特徴です。家計簿をつけていても、細かい出費を記録していないケースが多いため、お金がどこに消えたかわからず、「なんとなく使ってしまった」という結果になります。

対策:小さな支出を見える化する

まずは自分の「なんとなく使う」支出を見える化しましょう。2週間ほど、100円単位の支出もすべてメモするだけで、無駄な出費が見えてきます。スマホの家計簿アプリを活用すれば、簡単に記録できます。

「見える化」ができたら、「これは本当に必要な支出か?」と問いかけてみましょう。例えば、毎日のカフェラテを月~金だけ自分で淹れたコーヒーに変えるだけで、月に5,000円以上の節約になります。

固定費の管理ができていない

貯金ができない2つ目の特徴は、固定費の管理ができていないことです。

固定費とは、毎月決まって発生する支出のことで、家賃・ローン返済・光熱費・保険料・通信費などが含まれます。これらは一度契約すると自動的に引き落とされるため、「当たり前の支出」として見直しにくい傾向があります。

しかし、固定費は家計の中で最も大きな割合を占めることが多く、ここを見直さないと貯金体質への転換は難しいのです。

典型的な例をあげると…

  • 住居費が手取り収入の30%を超えている
  • 複数の保険に加入していて、月の保険料が収入の10%以上
  • スマホとネット回線、動画サービスなどのサブスクリプションが合計で15,000円以上
  • 使わないジム会費や趣味の月会費が引き落とされ続けている
  • 複数のクレジットカードの年会費が発生している

これらの固定費は、一度設定すると「当たり前」になってしまい、見直す機会を逃しがちです。しかし、年間で考えると非常に大きな金額になります。例えば月額2,000円の使っていないサブスクリプションは、年間で24,000円。これが複数あれば、10万円単位のムダが発生しているのです。

対策:固定費を一覧にして見直す

まずは自分の固定費をすべて書き出してみましょう。銀行口座やクレジットカードの明細を3か月分確認すれば、ほとんどの固定費が見えてきます。

書き出したら、一つひとつについて「本当に必要か?」「より安いプランはないか?」を検討します。

例えば…

  • スマホは格安SIMに乗り換えるだけで、月に3,000~5,000円の節約になる場合が多い
  • 保険は保障内容の重複がないか見直す(特に医療保険と生命保険)
  • サブスクリプションサービスは本当に活用しているか確認し、使っていないものは解約する
  • 家賃が高すぎる場合は、引っ越しも選択肢に入れる

固定費の見直しは一度行うだけで、毎月の家計に大きな余裕が生まれます。特に若いうちは、ライフスタイルの変化に合わせて定期的に見直すことが重要です。

お金が貯まる人との違いはここにある

貯金ができない人と貯金上手な人には、明確な行動パターンの違いがあります。ここでは、その決定的な違いを解説します。

先取り貯金 vs 残ったら貯金

貯金上手な人と貯金が苦手な人の最大の違いは、「お金を貯めるタイミング」にあります。

貯金が苦手な人のパターン:残ったら貯金

給料をもらう → 生活費や欲しいものに使う → 月末に残ったお金を貯金する

このパターンの問題点は、多くの場合「月末に残るお金」がほとんどないことです。人間は基本的に「使える金額をすべて使ってしまう」傾向があります(これは「パーキンソンの法則」の一種です)。そのため、「残ったら貯金」という方針では、ほとんど貯金ができないのが現実です。

貯金上手な人のパターン:先取り貯金

給料をもらう → まず決めた金額を貯金する → 残ったお金で生活する

貯金上手な人は、給料が入ったらまず決めた金額を別の口座に移すという「先取り貯金」を実践しています。例えば、給料の20%を貯蓄用口座に自動的に振り込むようにし、残りの80%で生活するという明確なルールを持っています。

この方法の成功率が高い理由は、人間の心理に基づいています。私たちは「目の前にあるお金」を基準に生活レベルを調整する傾向があります。つまり、手元に80%しかないと思えば、その金額内でやりくりするようになるのです。

実践方法:給料日の自動振替設定

実践するためには、給料が入る口座とは別に貯金専用口座を用意し、給料日に自動的に一定金額が移動するよう設定しましょう。多くの銀行では、定期的な自動振替サービスを無料で提供しています。

初めは給料の5~10%程度の少額から始め、慣れてきたら徐々に金額を増やしていくのがおすすめです。「気づかないうちに貯まっている」という状態を作ることが、継続のコツです。

使う目的が明確かどうか

お金が貯まる人ともう一つの大きな違いは、「お金の使い方の明確さ」にあります。

貯金が苦手な人のパターン:漠然としたお金の使い方

貯金が苦手な人は、「なんとなく欲しい」「気分が上がりそう」といった感覚的な基準でお金を使う傾向があります。特に、ストレス発散や気分転換のための「ご褒美消費」が多いのが特徴です。

また、「とりあえず貯金」という漠然とした目標を持っていることも多く、具体的に「何のために」貯めているのかが明確ではありません。そのため、ちょっとした誘惑で貯金を崩してしまいがちです。

貯金上手な人のパターン:目的に基づいた計画的な使い方

一方、貯金上手な人は「何のために貯めるのか」「何に使うのか」が常に明確です。

例えば…

  • 半年後の海外旅行のために20万円
  • 3年後のマイホーム購入の頭金として300万円
  • 老後の生活資金として年間60万円

このように具体的な目標があると、「今このお金を使うべきか」の判断基準ができます。「今このカフェラテを買うか、それとも海外旅行の資金に回すか」という選択になるため、無駄遣いを減らしやすくなるのです。

実践方法:貯金の「見える化」と目標設定

実践するためには、まず貯金の目的を具体的に書き出しましょう。「いつまでに」「いくら」「何のために」という3要素を明確にします。

例えば…

  • 1年後のヨーロッパ旅行のために、毎月2万円ずつ貯めて、計24万円
  • 5年後の車の買い替えのために、毎月3万円ずつ貯めて、計180万円

そして、その目標をビジュアル化すると効果的です。貯金目標をグラフにしたり、目標金額と現在の貯金額がわかるように家計簿アプリで管理したりすると、モチベーションが維持できます。

今日から変えられるお金習慣の作り方

ここまで、貯金ができない原因と貯金上手な人との違いを見てきました。では、具体的にどうすれば貯金体質に変われるのでしょうか。今日から始められる効果的な方法を紹介します。

目的別口座を分ける

貯金を成功させる最も効果的な方法の一つが、「目的別に口座を分ける」という方法です。

現代の銀行サービスでは、一人で複数の口座を持つことが簡単にできます。特にネット銀行では、無料で複数の口座を開設でき、スマホで簡単に管理できます。

目的別口座の基本的な分け方

  1. 生活費口座:給料が入り、固定費の引き落としや日常の支出に使う口座
  2. 緊急用資金口座:突然の出費(病気や家電の故障など)に備える口座(目標:生活費の6ヶ月分以上)
  3. 目標達成口座:旅行や高額商品購入など、具体的な目標のための口座
  4. 老後・将来資金口座:長期的な資産形成のための口座(iDeCoやNISAなどの活用も検討)

このように口座を分けることで、「このお金は何のためのお金か」が明確になり、使うべきでないお金に手を出しにくくなります。

特に緊急用資金は、まず最初に作っておくべき重要な貯金です。多くの人が貯金を始めてもうまくいかない理由は、予期せぬ出費(冠婚葬祭や修理費など)で貯金を崩してしまうためです。緊急用資金があれば、そうした事態でも貯金ゼロに戻ることを防げます。

※緊急用資金(生活防衛資金)は家計によって必要額が変わります。子どもがいたり、共働きでなかったり、個人事業主だったりする場合は最低でも12ヶ月以上の資金を口座にいれておくことが推奨されます。

実践方法:口座開設と自動振り分け

  1. まずはネット銀行などで複数の口座を開設します(多くの銀行では手数料無料で開設可能)
  2. 給料が入る口座から各目的別口座への自動振替を設定します
  3. 特に緊急用資金は、まずは生活費の6ヶ月分を目標に少しずつ貯めていきます
  4. 目標達成口座は、具体的な目標と期日を決めて貯金計画を立てます

口座を分けることで「見える化」されるため、モチベーションも維持しやすくなります。また、口座ごとに引き出し条件を自分で決めておくと(例:「緊急用資金は本当の緊急時以外は使わない」など)、無駄遣いを防げます。

自動化の力を使う

貯金を続けるための最大の敵は「面倒くさい」という気持ちと「誘惑に負ける」という人間の弱さです。この弱さを克服する最も効果的な方法が「自動化」です。

貯金上手な人は、この「自動化」を最大限に活用しています。自分の意志の力に頼らず、システムの力で貯金を継続するのです。

自動化できる主な項目:

  1. 給料の自動振り分け:給料日に一定金額を自動的に貯金口座へ振り替える
  2. 積立投資の自動化:NISAやiDeCoなどの自動積立設定
  3. 家計簿の自動化:家計簿アプリと連携したクレジットカードや電子マネーの活用
  4. 支出の自動チェック:家計簿アプリのアラート機能で予算オーバーを自動通知
  5. 固定費の自動見直し:年に1回、すべての固定費を見直す日を設定

自動化の最大のメリットは、「考える必要がない」点です。毎回「今月は貯金するか、しないか」と考える必要がなく、自動的に貯金が進むため、誘惑に負けるリスクが大幅に減ります。

また、「小さな成功体験」が積み重なることで、貯金に対するポジティブな感情が生まれます。口座残高が少しずつ増えていく様子を見ることで「自分にもできる」という自信につながるのです。

実践方法:段階的な自動化設定

自動化を一度にすべて行うのは難しいため、段階的に進めましょう。

  1. まず最初に、給料の5%を「目的別貯金口座」(前述した「緊急用資金口座」や「目標達成口座」など)に自動振替設定する
  2. 慣れてきたら、NISAなどの積立投資も少額から始める
  3. クレジットカードや電子マネーを家計簿アプリと連携させる
  4. 予算管理アプリの通知機能を活用して支出管理を自動化する

自動化は最初の設定に少し手間がかかりますが、一度設定してしまえば、あとは自動的に貯金が増えていきます。「面倒くさい」を克服する最強の武器として活用しましょう。

まとめ:貯金体質になるための5つのステップ

ここまで解説してきた内容をまとめると、貯金体質になるための5つのステップは次のとおりです:

  1. 「なんとなく使う」を見える化する:小さな支出も含めて、すべての出費を記録する習慣をつける
  2. 固定費を徹底的に見直す:住居費、通信費、保険料など、毎月自動的に引かれる費用を最適化する
  3. 先取り貯金を実践する:給料が入ったらまず決めた金額を貯金口座に移す習慣をつける
  4. 目的別に口座を分ける:生活費、緊急用資金、目標達成資金など、目的に応じて口座を分ける
  5. 貯金を自動化する:自分の意志に頼らず、システムの力で継続的に貯金を増やす仕組みを作る

これらのステップは、一度に全部行う必要はありません。まずは1つか2つから始めて、少しずつ自分のマネー習慣を変えていきましょう。最初の一歩は「貯金ゼロ」から脱出することです。

まずは緊急用資金として、生活費1ヶ月分を目標に貯め始めてみてください。この小さな成功体験が、あなたの貯金体質への第一歩となるでしょう。

【FAQ】よくある質問と回答

Q1: 収入が少ないけど、それでも貯金はできますか?

A: はい、可能です。収入の多さよりも、使い方の工夫のほうが重要です。収入が少なくても「先取り貯金」で収入の5%だけでも別に分けることから始めましょう。月5,000円の貯金でも、1年で6万円になります。

Q2: 貯金と投資、どちらを優先すべきですか?

A: まずは緊急用資金(生活費の6ヶ月分)を普通預金で確保することを優先しましょう。その上で、長期的な資産形成のために、NISAやiDeCoなどの投資も検討すると良いでしょう。

Q3: 浪費癖がひどいのですが、どうすれば改善できますか?

A: 「24時間ルール」を試してみてください。欲しいものがあっても、すぐに買わず24時間考える時間を取ります。多くの場合、冷静になると「なくても大丈夫」と気づくことが多いです。また、クレジットカードよりも現金や電子マネーでの支払いに切り替えると、支出を実感しやすくなります。

Q4: 家族(パートナー)と価値観が違い、お金が貯まりません。どうすればいいですか?

A: まずは家族で金銭面の目標について話し合う時間を持ちましょう。「何のために貯めるのか」という共通の目標があると協力しやすくなります。また、完全に家計を一緒にするのではなく、共通の支出と個人の自由に使えるお小遣いを分けるという方法も効果的です。

Q5: 貯金を始めるのに遅すぎるということはありますか?

A: いいえ、決して遅すぎることはありません。どの年齢から始めても、貯金のメリットはあります。若いうちに始めれば複利の効果で大きく増える可能性がありますし、年齢を重ねてからでも将来の安心のために重要です。特に日本では平均寿命が延びているため、老後の資金準備は重要です。今日から始めることで、将来の自分に大きなプレゼントを贈ることになります。

最後に、貯金は決して「我慢」や「苦行」ではありません。むしろ、自分の将来の選択肢を増やし、人生の自由度を高めるための手段です。今日から少しずつ習慣を変えて、お金に振り回されない人生を手に入れましょう

小椋 晃樹 Ogura Koki

1992年生まれ。国立大学経済学部卒業後、大手都市銀行に入行。 資産運用や住宅ローン、法人融資など幅広い業務に携わり、延べ1,000件以上のご相談を経験。

現在は独立系FPとして、理想の暮らしや将来に向けた資産形成をサポート。Instagramでは4.3万人超のフォロワーに向けて情報発信を行い、全国から300件以上のご相談をいただいている。

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