夫婦のお小遣いの決め方|手取り別の目安を元銀行員FPが解説

「夫婦のお小遣いはいくらが正解なのか」と迷う方は多いです。
「相手との差」でなんとなくモヤモヤする方もいるでしょう。
夫婦のお小遣いの決め方は家計の中でも話し合いを先延ばしにしがちなテーマです。

家計相談の現場でも、貯蓄や保険の話の前に「お小遣いの金額でもめている」とのご相談をよく受けます。
不満の原因は金額そのものではありません。
「どう決めたか」「何に使うお金なのか」を夫婦で共有できていない状態が原因です。

本記事では銀行員時代から延べ1,000件以上の家計面談に携わってきた元銀行員FPの立場で解説します。
夫婦のお小遣いの目安・手取りから逆算する決め方・お小遣いに含める範囲・お小遣い制のメリットとデメリットを順番に見ていきましょう。

読み終えるころにはご家庭に合ったお小遣いの金額とルールを夫婦で落ち着いて話し合えるようになっているはずです。

夫婦でお小遣いの金額を話し合う30代の夫婦のイラスト

この記事でわかること

  • お小遣いの目安が世帯手取りの1割前後になる理由
  • 手取りから逆算してお小遣いを決める4つのステップ
  • お小遣いに含める範囲ともめないルール作りのコツ
目次

夫婦のお小遣いの目安|手取りの1割前後が基準

夫婦のお小遣いの目安を手取りの割合で考えるイラスト

夫婦のお小遣いを決めるときは、まず世間一般の目安を知っておくと安心です。
民間の金融機関などの調査では、会社員のお小遣いは月3万〜4万円前後で推移しています。
ただし、調査の数字は収入や家族構成が異なる人たちの平均です。
平均の金額を自分の家庭に当てはめるのはおすすめしません。

世帯手取りの8〜12%を「夫婦2人分」の目安にする

家計相談では世帯の手取り月収の1割前後(8〜12%程度)を夫婦2人分のお小遣いの目安としてお伝えすることが多いです。
手取りに対する割合で考えると、収入が変わったときも見直しが楽になります。

世帯手取り月収別に、手取りの10%を夫婦で均等に分けた場合の目安は次のとおりです。

世帯の手取り月収 夫婦2人分(手取りの10%) 1人あたり(均等に分けた場合)
30万円 3万円 1.5万円
40万円 4万円 2万円
50万円 5万円 2.5万円
60万円 6万円 3万円

※金額はあくまで一例です。
住宅ローン・教育費の負担・貯蓄目標によって適正額は変わります。

目安より「家計全体のバランス」を優先する

例えば住宅ローンの返済が重い時期や子どもの教育費がかさむ時期は、手取りの1割を確保すると貯蓄が回らなくなることもあるでしょう。
反対に、共働きで固定費が低い家庭であれば、もう少し多めにしても家計が崩れないケースもあります。
目安はあくまで話し合いのスタート地点と考えてください。

共働きと片働きでは考え方が少し変わる

共働きの家庭ではそれぞれが自分の収入をもっているため、「自分で稼いだお金なのに自由に使えない」と感じがちです。
一方、片働きの家庭では収入のない側が遠慮して、お小遣いを受け取らないケースや極端に少なくするケースがよくあります。
どちらの場合も、お小遣いは「収入のある人へのご褒美」ではありません。
「夫婦それぞれが気兼ねなく使えるお金」と位置づけると、話し合いがスムーズに進みます。

支出全体のバランスについては家計の黄金比率の記事も参考にしてください。

夫婦のお小遣いの決め方|手取りから逆算する4ステップ

手取りから逆算してお小遣いを決める様子のイラスト

お小遣いを「なんとなく3万円」と先に決めてしまうと、貯蓄や特別費にしわ寄せがいきがちです。
おすすめは手取りから必要なお金を順番に差し引き、最後に残った金額からお小遣いを決める「逆算方式」です。

ステップ1:世帯の手取り月収を確認する

まずは夫婦それぞれの手取り月収を出し、世帯の合計を確認しましょう。
残業代などで毎月ばらつきがある場合は、少なめの月を基準にすると安心です。

ステップ2:固定費と変動生活費を差し引く

住居費・通信費・保険料などの固定費と、食費・日用品費などの変動生活費を差し引きます。
固定費が重いと感じる場合は、お小遣いを削る前に固定費の見直しも検討してください。

ステップ3:先取り貯蓄と特別費の積立を差し引く

次に、毎月の先取り貯蓄と、帰省費や家電の買い替えなどの特別費の積立分を差し引きます。
お小遣いの前に貯蓄を確保しておけば、「お小遣いを使いすぎて貯まらない」状態を防げます。

ステップ4:残った金額をお小遣いとして夫婦で分ける

最後に残った金額が無理なく出せるお小遣いの上限です。
具体例で見てみましょう。

項目 月額
世帯の手取り月収 45万円
固定費(住居費・通信費・保険料など) −18万円
変動生活費(食費・日用品費など) −13万円
先取り貯蓄 −7万円
特別費の積立 −3万円
お小遣いに回せる金額(夫婦2人分) 4万円

※金額はあくまで一例です。

上の例では夫婦2人分のお小遣いは4万円(1人2万円ずつ)で、世帯手取りに対する割合は約8.9%です。
年間にすると1人24万円になります。
「少ない」と感じた場合は、固定費や変動費を見直す余地がないか夫婦で一緒に確認してみましょう。

金額の分け方は「均等」と「収入比」の2つ

夫婦でお小遣いを分けるときは、同じ金額にする「均等型」と、収入の割合に応じて分ける「収入比型」があります。
均等型は不公平感が出にくい一方、収入差が大きい夫婦では収入の多い側が不満を感じることもあります。
収入比型は納得感を得られる反面、育児や家事を多く担当している側の負担が金額に反映されにくい部分に注意してください。
お小遣いの分け方は生活費の負担割合とあわせて決めておくとスムーズです。

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お小遣いに含める範囲を夫婦で決める

お小遣いに含める支出の範囲を夫婦で線引きするイラスト

夫婦のお小遣いでもめがちなのが、「何をお小遣いから払うのか」があいまいなケースです。
同じ月2万円でも、ランチ代やスマホ代を含めるか含めないかで、自由に使えるお金にかなりの差が出ます。

お小遣いに含めるか迷いやすい項目

  • 平日のランチ代・コーヒー代
  • 職場の飲み会や友人との交際費
  • 個人のスマホ代・サブスク代
  • 趣味の道具・美容院代・洋服代
  • 親族や友人へのプレゼント代

例えばランチ代を1日500円とすると、出勤日が月20日であれば月1万円です。
ランチ代をお小遣いに含めるか含めないかで、実質的に使えるお金は1万円も変わります。

「家計から出すもの」と「お小遣いから出すもの」を線引きする

おすすめは仕事や生活に必要な支出を家計から、本人の楽しみや好みに関する支出をお小遣いから出す線引きです。
例えば「スマホの基本料金は家計、アプリ課金はお小遣い」「仕事用の服は家計、趣味の服はお小遣い」と決めておけば、判断に迷いません。
個人のサブスクが増えている場合はサブスクの見直し方法もあわせて確認してください。

決めたルールは紙やメモに残しておく

口頭で決めたルールは、時間がたつと記憶があいまいになりがちです。
夫婦で決めた範囲と金額をメモや家計簿に書き残しておけば、あとから「いった・いわない」でもめずに済みます。

お小遣い制のメリット・デメリットと見直しのコツ

お小遣い制のメリット・デメリットを見直す夫婦のイラスト

お小遣い制は多くの家庭で取り入れられていますが、すべての家庭に合うわけではありません。
メリットとデメリットの両方を知ったうえで、自分たちに合うやり方を選ぶことが必要です。

お小遣い制のメリット

  • 支出が見え、貯蓄計画を立てられる安心感
  • お互いの使い道に口を出さずに済む気楽さ
  • 上限が決まることによる使途不明金の減少

お小遣い制のデメリット・注意点

  • 低すぎる金額による不満・隠れた出費・カード払いの増加
  • 管理する側への負担集中と上下関係の発生
  • 物価や働き方の変化に追いつかない金額設定

お小遣いの使いすぎをキャッシュレス決済で防ぎたい場合は、キャッシュレスで使いすぎを防ぐ家計管理術も参考にしてください。

見直しは「年1回」と「収入が変わったとき」に

お小遣いは一度決めたら終わりではありません。
昇給・転職・産休・育休・子どもの進学など、家計が変化するタイミングで見直すのが基本です。
特に変化がなくても、年に1回はボーナス時期などに夫婦で金額と範囲を確認しましょう。
定期的に確認すれば、不満がたまりにくくなります。

話し合うときは「金額」より「理由」から

お小遣いの話し合いでは、いきなり金額を提示するのはおすすめしません。
「今年は貯蓄を増やしたい」「仕事の付き合いが増えた」など、背景や理由を先に共有するとスムーズです。
家計の数字を一緒に見ながら話せば、どちらか一方が我慢せずに済みます。
夫婦で納得できる落としどころも見つかります。

よくある質問(FAQ)

Q.夫と妻でお小遣いの金額は同じにするべきですか?

必ず同じにする必要はありません。
均等型は不公平感が出にくく、収入比型は収入差がある夫婦で納得感を得られる特徴があります。
家事・育児の分担も含めて、夫婦が納得できるやり方を選ぶことが必要です。

Q.専業主婦(主夫)の場合もお小遣いは必要ですか?

収入のない側にも、自由に使えるお金を設けることをおすすめします。
家事や育児も家計を支える役割なので、片方だけにお小遣いがある状態は不満の原因になりがちです。
金額は家計の状況に合わせて夫婦で決めましょう。

Q.お小遣いが余ったらどうすればいいですか?

余ったお小遣いは本人のものとして繰り越しや自分の貯金にできるルールにすると、やりくりを工夫する意欲が続きます。
家計に戻すか戻さないかは、最初に夫婦で決めておくと安心です。

Q.ボーナスからもお小遣いを出したほうがいいですか?

ボーナスの一部をお小遣いにする家庭もあります。
ただし、ボーナスは金額が変動するため、先に貯蓄や特別費に回す分を決めてください。
残りの範囲でお小遣いを決めるのが無理のない方法です。
使い道の考え方はボーナスの使い道の記事で詳しく解説しています。

まとめ:夫婦のお小遣いは手取りから逆算し、範囲まで決めて納得感をつくる

  • 世帯手取りの1割前後(8〜12%)が2人分の目安
  • 固定費・生活費・貯蓄・特別費を引いた残りから決める逆算方式
  • ランチ代・スマホ代などお小遣いに含める範囲の事前決定
  • メリット・デメリットを踏まえた年1回と収入変化時の見直し

お小遣いは夫婦それぞれの「自由」と家計の「安心」のバランスを取るためのお金です。
金額の正解はご家庭ごとに異なります。
本記事の目安と4ステップを参考に、まずは一度家計の数字を見ながら話し合ってみてください。
ご家庭の状況に合わせて具体的に相談したい方は、MoneyQuestの家計相談もご活用ください。

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小椋 晃樹 Ogura Koki

1992年生まれ。国立大学経済学部卒業後、大手都市銀行に入行。 資産運用や住宅ローン、法人融資など幅広い業務に携わり、延べ1,000件以上のご相談を経験。

現在は独立系FPとして、理想の暮らしや将来に向けた資産形成をサポート。Instagramでは4.3万人超のフォロワーに向けて情報発信を行い、全国から300件以上のご相談をいただいている。

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