【金融商品を販売するFP】と【金融商品を販売しないFP】の違いを比較して解説

ファイナンシャルプランナー(FP)は、主に個人の家計状況を分析し、将来の目標達成のためにアドバイスを提供するお金の専門家です。

FPのアプローチには、金融商品を販売するFPと販売しないFPの二つのタイプがあります。

それぞれにメリットがありますが、ここでは特に金融商品を販売しないFPの良さについて、販売するFPとの違いを踏まえて詳しく解説します。

利益相反の回避

利益相反とは、個人や組織が対立する利益を持つ状況を指します。例えば、医師が製薬会社から報酬を受けると、その医師の患者への処方に影響を及ぼす可能性があります。このような状況では、個人の判断が公平性を欠き、自身の利益を優先する結果、他者に不利益をもたらすことがあります。

金融商品を販売するFPは、投資信託や保険などの金融商品をお客さまに販売することで収入を得ることがあります。

この収入には手数料やコミッションが含まれ、FPが特定の商品を勧める動機になります。

このような収益構造があると、FPはお客さまの最善の利益を優先するべきか、自分の収入を増やすために手数料の高い商品を勧めるべきかというジレンマに陥ることがあります。

例えば、FPが高い手数料を得るために、お客さまにとって最適ではない商品を勧めてしまうリスクや、そもそも解決するために商品が必要ない場合でも商品を勧めてしまうリスクがあるということです。


一方、金融商品を販売しないFPは、お客さまからのフィーのみで報酬を得ます。

これにより、特定の商品を販売することで利益を得る必要がなくなり、利益相反のリスクがなくなります。

販売しない中立なFPは、お客さまの利益を最優先に考えることができ、純粋にお客さまの目標を達成するためのアドバイスを提供します。

 

中立的なアドバイス

金融商品を販売するFPは、特定の金融機関や商品の販売を促進するために働くことが多いです。

そのため、アドバイスが特定の商品や金融機関に偏ることがあります。例えば、保険会社に所属するFPは、その会社の商品を優先的に勧める傾向があります。


これに対し、金融商品を販売しないFPは、特定の金融商品や金融機関に依存しないため、より中立的なアドバイスを提供できます。

そのため市場全体を見渡して、お客さまに最も適した選択肢を提供することができます。

お客さまの目標やリスク許容度に基づいて、幅広い選択肢から最適な解決策を提案することが可能です。

 

透明性の向上

金融商品を販売するFPの場合、商品の販売に伴う手数料やコミッションが収入の一部を構成するため、費用の透明性が低くなることがあります。

お客さまは、購入した商品の手数料やコストを完全に理解できないことがあり、これが信頼関係の構築を妨げる要因となることがあります。


一方、金融商品を販売しないFPは、そのサービスの料金体系が明確で、お客さまに対して事前に提示されることが一般的です。

これにより、お客さまはFPのアドバイスに対して支払う費用を正確に把握することができ、隠れたコストや手数料に悩まされることがありません。

透明性の高い料金体系は、お客さまとの信頼関係を強化する重要な要素です。

 

カスタマイズされたプランニング

金融商品を販売するFPは、特定の商品を販売することが目的となるため、アドバイスがテンプレート化されることがあります。

これにより、お客さまにとって最適でない商品や戦略が提案されるリスクがあります。

例えば、特定の投資信託や保険商品を売ることが目的となると、お客さまの個別のニーズに十分に対応できない場合があります。


これに対し、金融商品を販売しないFPは、お客さま一人ひとりのニーズや状況に応じたオンリーワンのプランニングを提供します。

お客さまの家計状況、目標、リスク許容度などを総合的に考慮し、最適な戦略を提案します。

このアプローチにより、お客さまは自身の目標に最も適したプランを手に入れることができます。

 

教育的なサポート

金融商品を販売するFPは、教育的なサポートよりも商品の販売に重点を置くことが多く、お客さまの金融リテラシー向上には必ずしも力を入れていない場合があります。

彼らは商品の特性やメリットを説明することに時間を費やしますが、お客さまが自分で判断する力を養うための教育には十分な時間を割かないことが多いです。


これに対し、金融商品を販売しないFPは、お客さまの金融リテラシー向上にも力を入れています。

お客さまに対して金融知識やスキルを教育し、自分で賢い判断を下せるようにサポートします。これにより、お客さまは長期的に自分で家計管理や資産形成する能力を身につけることができます。

例えば、投資の基本原則やリスク管理の方法、予算管理のテクニックなどをお客さまに教えることにより、お客さまは将来的に自分でライフプランを立てて行動する力を得ることができます。

つまり金融商品を販売しないFPは、お客さまの自立を促すパートナーとしての役割を果たします。

 

信頼関係の構築

金融商品を販売するFPは、お客さまとの信頼関係が商品の販売活動に影響されることがあります。

お客さまは、FPのアドバイスが真に自分のためであるかどうかを疑問に思うことがあるため、信頼関係の構築が難しくなることがあります。

特に、手数料の高い商品を勧められた場合、お客さまはFPの動機を疑うことがあり、長期的な信頼関係を築く上で障害となることがあります。


一方、金融商品を販売しないFPは、お客さまとの間に強固な信頼関係を築くことが容易です。

お客さまは、FPが自分の利益のために最善を尽くしていることを確信できるため、安心して長期的なパートナーシップを構築できます。

この信頼関係は、FPがお客さまの目標を達成するために必要な全ての情報を提供し、透明性のあるアドバイスを行うことによって強化されます。

 

継続的なサポート

金融商品を販売するFPは、商品の販売後のフォローアップが十分でない場合があります。

商品の購入後、お客さまが抱える疑問や問題に対して十分なサポートが得られないことがあります。

これにより、お客さまは自身の財務状況の変化に適切に対応できないリスクがあります。


一方、金融商品を販売しないFPは、お客さまのライフステージや経済状況の変化に応じて、継続的なサポートを提供します。

これにより、お客さまは長期的なライフプランを定期的に改善し、変化する状況に柔軟に対応することができます。

 

独立性と専門性

金融商品を販売するFPは、特定の商品に関する専門知識を持っていますが、全体的な計画に関する知識が限定的である場合があります。

彼らは商品の特性や利点を詳しく説明することができますが、お客さまの全体的なライフプランを構築する能力には限界があることがあります。


一方、金融商品を販売しないFPは、独立した立場からアドバイスを提供します。

特定の金融機関や商品の販売に縛られることなく、広範な市場の知識と経験を持っています。これにより、お客さまにとって最適な選択肢を提供することができます。

また、金融商品を販売しないFPは、特定の商品の知識だけでなく、ライフプラン全般に関する専門知識を持っています。

これには、投資戦略、リスク管理、節約や節税、教育費の作り方、退職計画などが含まれます。そのためお客さまの全体的な状況を考慮し、包括的なアドバイスの提供が可能です。

 

まとめ

現状、ほとんどの方が金融商品を販売するFPにしか相談した事がないと思います。

当然、金融商品を販売するFPもメリットはあって、特定の商品に関する深い知識を持ち、その商品を通じてクライアントの目標を達成するための具体的なソリューションを提供できます。

また、特定の商品の販売により、一部のお客さまには迅速な解決策を提供することができる場合もあります。

それに、なかにはお客さまの利益を最優先する素晴らしい方もいます。

 

しかしながら、総合的に見ると、金融商品を販売しないFPの方が多くの利点を持っていると思っています。

利益相反の回避、中立的なアドバイス、透明性の向上、カスタマイズされたプランニング、教育的なサポート、強固な信頼関係の構築、継続的なサポート、そして独立性と専門性の点で、お客さまにとってより適した選択肢となります。

特に長期的なライフプランを考える際には、金融商品を販売しないFPの方が信頼性が高く、お客さまの最善の利益を考えたアドバイスを提供することができると思っています。

お客さまは、自分自身の目標を達成するために最も適したパートナーを選ぶことが重要です。

そのためには、金融商品を販売するFPだけでなく、透明性が高く、中立的で、お客さまの利益を最優先に考える金融商品を販売しないFPにも相談しましょう。

 

販売しない中立なFPは、お客さまとの長期的なパートナーシップを構築し、変化するライフステージや経済状況に柔軟に対応しながら、継続的なサポートを提供することができます。

金融商品を販売しないFPに相談することは、お客さまの安心と成功をもたらすための強力な手段となるでしょう。

金融商品を販売しない独立系FP
【こう】

InstagramなどのSNS総フォロワー数は6万人

「本当の意味で顧客本位に働きたい」という想いから銀行を退職し”金融商品を販売しない独立系FP”としてSNSを中心に情報発信や個別コンサルティングを行っている